この腕で
時計の針を
逆回転させてとは言わない
止めてとも言わない
ただ
動きをもっともっとゆっくりさせて
その間に私は
巨大な溶鉱炉に向かって
自転していく地球を
一生懸命につっついて
その進行方向を変えるから
必ず
変えるから



日だまり
鈴つき猫が
キスしていたら
音でわかる
ほら
チリ チリ チリリ



クローバーPart1
見渡す限りのクローバー畑で
女の子たちが首かざりを作っている
白つめくさはパール
赤つめくさはルビー
きゃっきゃ きゃっきゃと編んでいる
少し離れた所にカップルが一組
「君のために四つ葉を探そうか？」
と彼。
彼女、曰く、「あなたが隣にいるのに
どうしてこれ以上幸せを探すの？」



クローバーＰａｒｔ２
市長が
大商人が
貴族の奥方が
血まなこになって探している
四つ葉のクローバー
一人寝っころがっている
アルルカンが言うことにゃ
「わっしゃあ、ここで横になっていられれば
いいっす
クローバー畑に
いったいいくつ四つ葉があるかは知らないが
その中で
昼寝をしていれば
わっしゃあ
四つ葉に包まれて
それだけで幸せです」



見つけてよ
寂しい時は
そっとポケットのなかで手を握り
淡い光の街灯の下で呟く
ねえ　私はここにいるよ


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