「水晶の向こう側」・あとがき
(ill. by 音緒)
*本作、ならびに前作 「アレキサンドライト」 シリーズと 「Constellation〜星座〜」 の
内容について触れている部分が少しあります。未読の方はご注意ください。
1 まずは ご挨拶
あとがきで最初に書くことが決まりつつありますが、やはり言わずにはいられません。
「水晶の向こう側」 全12話、お読みいただきまして、ありがとうございました。作者、
および登場人物一同、御礼申し上げます。
2 「2人以上」は「たくさん」?
以前、「アレキサンドライト」シリーズの感想をくださった方が何人かいらっしゃったの
ですが、その時に「黒沢が好き」と言ってくださった方が3名、「藍が好き」と言ってくだ
さった方が2名、「金城が好き」と言ってくださった方が1名、いらっしゃいました。また、
「黒沢と藍が結婚するまでの顛末が読みたい」というリクエストもありました。(重複あり)
作者といたしましては、数少ない、感想を言ってくださる方の意見には耳を傾けてしま
います。また、作者自身、黒沢たちについては書き切れていない部分もありましたので、
リクエストがあったのでこれ幸いと書いてしまいました。それが、この作品です。 なんと
言いましょうか、「言ったもん勝ち」の様相を呈しております。書く、書かない、あるいは
書ける、書けないは作者次第ですが、ご希望がありましたら、こそっとお話くださるのも
いいかもしれません。すぐにではなくても、いつか、実現するかもしれませんよ。
3 芦が谷ノエル
「Constellation〜星座〜」の脇役を勤め、「水晶の向こう側」では大幅に若返って活躍
したノエルについて少し。
以前から、水晶球を覗く人物は書きたかったんですよね。去年(平成11年・1999年)の
初夏、「Constellation〜星座〜」の仕込みで東京都町田市・芦が谷公園内の国際版画
美術館に出かけました。 (実は、そこで開催されていた版画展で「Circles of Confusion」を
見て、気に入ってしまいました。「Constellation〜星座〜」の核のひとつはここで拾いました)
帰り道の公園内で、小さい女の子とその若い母親とすれ違って、その時にお母さんが、
娘さんを「ノエル」と呼んだので、水晶占い師の名前をノエルに決めてしまいました。
名字は公園から取って芹が谷。お気楽につけましたが、すわりがよくて気に入りました。
昔から「ノエル」 という名前に思い入れがあったせいもあります。27〜8年前の少女漫画で、
竹宮恵子さんの「空が好き!」という作品がありますが、それの最後の方に登場した人物の
名前がノエルでした。印象に残っているキャラクターです。「空が好き!」は漫画文庫には入っ
ていないと思いましたが、機会があったら、読んで見てください。ちなみに、私の思い入れと
プレイステーションゲームの「Noël」とは、関係がありません。(これは未プレイです)
4 レジオンとフィナンシェ
作中に出て来た横浜の店・レジオンとお菓子のフィナンシェは、友人から教わりました。
藍の「ここのを食べるとね、フィナンシェは「レジオンのものとそれ以外」っていう風に
分類したくなるのよね」というセリフは、友人の言葉をベースにさせていただきました。
無責任に書くわけにいかないので、作者も、レジオンを初めとして15〜16店舗のフィ
ナンシェを食べ比べ、このセリフは言ってもいい、と確信しましたので、使いました。
好みにもよりますが、おすすめです。ピュイ・ダ・ムールの情報も同じ友人からです。
お菓子に限らず、各種情報に関しては、いろいろと友人たちに助けられています。
・・・この場で言ってしまおう。いつもありがとうございます、各位。
5 今後の話し
書き始めたのが今年の1月半ばで、3月末にはアップの予定だったのですが、様々な
理由で遅れ、この時期になってしまいました。公私に渡って予想外のことが続いたのも
大きかったのですが、それにしても最初の見通しが甘かったと反省しています。ともあれ、
満足のいく仕上がりになってほっとしています。いつものあとがきと同じ言い回しになりま
すが、しばらく充電して、また、そのうち新作を書き出すのではないかと思います。新作
公開の時は、またおつきあいください。
ご来店ありがとうございました。(平成12年(2000年) 7月初め)
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