布田明彦のひとりごと。「え？　俺のネタって、こんなに少なかったっけ」

最初の予定では、彼は「サザエさん」にするつもりでした。大学生のま
まで、何年もはみだしに登場する人物。ずっと読んでいて、変だと思う
人も出てくるかもしれないし、フェアにいきたいので誌上で「複数ペンネ
ーム宣言」もしたのですけれど、残念ながらあまり書きませんでした。
(「複数・・・・・・」つまり、「ページ・ワンがこれから先、こういうペンネーム
でも出すけど、フィクションなのでよろしく」と言っておいたわけです)
布田明彦は、高校一年の時にできたキャラクターです。学校帰りに急行
に乗ると、いつもこういうアナウンスが聞こえました。「急行電車をご利用
いただき、ありがとうございます。次は千歳烏山にとまります。千歳烏山
の次は調布にとまります。通過する仙川、つつじヶ丘、柴崎、国領、布田
においでの方は、お乗りかえです」この、仙川、つつじヶ丘、柴崎、国領、
布田という響きが好きで、そのうちの三人、柴崎、国領、布田が登場する
小説を書こうとしました。高校生の男子トリオ。四月から翌三月までの話を
十二編、各月分、短いのを並べようとしたのですが結局書かずじまいでし
た。五、六編分のアイディアはあったんですけどね。一番気に入っていた
布田君を学生にして投稿をしてみましたが、これも上手くいかなかったの
でした。
彼の実家の文房具屋のモデルは、うちの近くにあります。


[「伝言ゲーム」の目次へいく] [一番最初に戻る]